2012年12月7日金曜日

親父との思い出を書いてみようと思う

1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 20:40:52.40 ID:zNH5CF560

思えばめちゃくちゃ子煩悩な親父だった
田舎住まいで仕事に融通が利くため俺が通っていた保育園の行事にはほぼ参加していた気がする
運動会やら納涼祭だけじゃなく平日昼間にやるようなものにまで




2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 20:41:23.30 ID:+YPoJ+Oh0

きいてやんよ!




3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 20:42:43.82 ID:zNH5CF560

もちろん怒るとめちゃくちゃ怖かった
ひっぱたかれたことは一度や二度じゃないし
本格的に怒るとロウソク攻撃とかもされた
焼かれるんじゃなくてロウを垂らすだけな!





4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 20:43:41.24 ID:lDVn0SqG0

ハードなプレイしてんなオイ




5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 20:44:11.18 ID:PYDz3kBl0

変態やないか




6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 20:45:39.35 ID:zNH5CF560

幼稚園に上がる頃までに強烈に覚えていることが二つある
ひとつは二階の窓からぶら下げられて
「高いたかーい! ははははは、どうだー?」
ってやられたこと
もう一つは俺を抱きかかえたまま海にダイブしたこと
たぶん親父は俺を喜ばせるためにやったんだろうがかなり怖かった




7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 20:48:30.51 ID:zNH5CF560

そんな無茶はごくたまにだったと思う
その二大事件の後はカーチャンに叱られてたし

さて俺が幼稚園に上がった秋のこと
今まで勤めていたじいちゃんの会社を辞めて新しい職場を見つけたことで
親父は単身赴任することになった




8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 20:51:27.91 ID:zNH5CF560

新しい職場は船と飛行機乗り継いで行くようなところで
親父と会えるのは年に数えるほどになった
それでも夏休みなんかの長期休暇には必ず家族で会いに行ったし
親父もたまに帰って来たときなんかは俺と弟をこれでもかと言うほど遊びに連れ回してくれた




9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 20:53:16.06 ID:zNH5CF560

俺のお気に入りは釣りだった
親父は良く釣れる場所・季節・時間をかなり正確に把握していた
親父と一緒に釣りに行って不漁だったことは一度だって無かった




10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 20:56:26.74 ID:zNH5CF560

海では釣りだけじゃなく潜りもやった
鉄棒と竹竿を買ってきて一緒に銛を作って持って行った
親父は潜りも上手かった
魚の巣を見つけては次々に捕らえてすぐに網をいっぱいにした




11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 20:57:15.95 ID:YjwPPyzH0

もしかして潜ったときにお亡くなりに?




12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 20:59:38.85 ID:zNH5CF560

山にも行った
罠を仕掛けて鳥を捕まえたり弓矢を手作りして撃ちに行ったりもした
眠っている鳥を観察しに夜の森へ行ったこともある
俺には全く見えないところを親父はライトで照らして
「あそこにヤマバトがいる。あそこには渡ってきたタカがいる」
と教えてくれた




13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:00:15.36 ID:iPhkeYeJO

俺の親父とか殺したい奴筆頭だわ




18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:12:46.40 ID:4xf/ZR0t0

>>13いなくなったらよくわからないけど涙が流れてると思うよ
そのあと落ち着いてから色々思い出してまた泣くんだ




14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:02:46.95 ID:zNH5CF560

山からは木の枝を切ってきて剣を作ってもらった
俺と弟に一本ずつ
枝の曲線を上手く使った日本刀の形をしたものだった
俺と弟にそれを一本ずつくれて
「お父さんは二刀流だ、二人でかかってこい!」
とチャンバラに興じたものだった




15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:04:38.58 ID:zNH5CF560

結局俺が振り回した木刀が弟の頭にこぶを作って泣かせてしまいチャンバラは終了
三人ともカーチャンにこっぴどく叱られて木刀も取り上げられた
しかし親父はにやりと笑って
「明日もやるぞ」
と言っていた




16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:08:04.27 ID:zNH5CF560

チャンバラで怒られた次の日
親父は近所の雑貨屋から大量の段ボール箱をもらってきた
缶ジュースの箱の広い面を使って盾を作り
お菓子の箱をバラしておれと弟に鎧を作ってくれた
剣は家にあった古新聞を丸めてガムテープで補強したものを使った
怪我はしなかったが障子を突き破ってしまいやっぱりカーチャンに怒られた




17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:11:04.17 ID:zNH5CF560

そうやってたまに帰ってくる親父は俺たち兄弟のヒーローだった
当時は知らなかったがスポーツも半端なくできていたらしい
俺が生まれる前には国体選手になったこともあるぐらいには
地元の陸上競技大会のパンフレットを見たら
親父の名前が各記録保持者の一覧に載っていて驚いたこともある




19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:13:08.47 ID:zNH5CF560

話は進んで俺が小学五年の頃
親父が単身赴任から帰ってくることになった
会社のプロジェクトが地元で進むことになったからだと聞いた
もちろん俺と弟は飛び上がって喜んだ




20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:15:59.38 ID:zNH5CF560

帰ってきてからはそりゃもう思う存分遊んだ
相変わらず怒ると怖いし子供っぽいところもあったけど
遊ぶときは遊ぶ
でも躾は手を抜かない
そんな親父だった




21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:18:02.89 ID:zNH5CF560

中学に上がる頃にはさすがに俺も友達と遊ぶことの方が多くなった
海に行くのも山に行くのも友達と
親父のようにはできなかったけど
いろんなことを教わっていたおかげで友達との野遊びも上手にできるようになっていた




22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:20:07.85 ID:zNH5CF560

親父と口をきく回数は小さい頃に比べて減っていったけど
特に気にしたりはしなかった
親父も子供の成長だと思っていてくれたのかもしれない
「今日、行くか?」
と俺を夜釣りに誘うようになったのもこの頃からだった




23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:23:02.94 ID:zNH5CF560

中学から高校へと進むにつれて
親父の俺に対する口数は明らかに減っていった
でもそのころには親父は基本的に大人に対しては口数が少ないと言うことに気づき始めていたので
俺は少し嬉しかった
中一の時に生まれた妹をものすごくかわいがっていたのを見て
俺や弟も小さい頃はああやって子守されていたんだなとしみじみ思った




24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:26:33.26 ID:zNH5CF560

大学受験で俺は二度失敗した
一浪目は親元から離れて部屋を借り予備校に通った
これでダメなら働こうと思っていたところ見事に失敗
本格的に仕事を探し始めた矢先のこと
不合格と仕事を探すことを告げた翌日
親父がアパートにやってきた




25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:29:55.96 ID:zNH5CF560

「大学は出ろ。後一年、もう一度本気で取り組んでみろ」
俺の田舎からは船と飛行機を乗り継がないとそれなりの街には出られない
俺が住んできたアパートも当然そんなところだった
失敗を告げた翌日の朝
親父は一番早い便で俺のアパートにやってきたのだ




27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:31:56.81 ID:zNH5CF560

一週間で荷物をまとめて俺は実家に帰った
もう一年はなるべく親に負担をかけずに勉強しようと思った
都合の良いことに俺の田舎には変わり者のおっさんが学習塾を開いていた
このおっさんに頼み込んで俺は勉強を教えてもらうことになった




28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:34:24.26 ID:Mtc0SLIC0

良いスレ




29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:35:21.82 ID:zNH5CF560

曜日によって違うが一日4~6時間
週に6日
これを月一万五千円の月謝で見てくれるというのだから相当な物好きだ
おっさんの元でかなり力をつけることができ
その年俺は地方ではあるが無事国立大学に入学できた




30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:37:41.48 ID:zNH5CF560

俺が大学に入る頃
親父は仕事を辞めて農業を始めていた
俺が国立に受かったから授業料の心配をしなくてすむと考えたらしい
下にはまだ弟と妹がいるのにな!
持ち畑はないので親戚の余っている畑を使っていた




31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:38:24.10 ID:uG7cTWLf0

父親いるってよさそうなんだな




32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:40:12.51 ID:zNH5CF560

大学の休みに実家に帰ると
鬼のような仕事が待っていた
親父は別の農家のところで修行を積んでいたらしく
結構仕事も様になっていた
毎朝5時には起きて畑へ
昼前に帰ってきて3時ぐらいまで休み
それからまた畑に出て暗くなるまで仕事
実家に滞在していた一ヶ月間これが続いた




33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:42:24.99 ID:zNH5CF560

もちろんきつかったし行きたくないと思いもしたけど
これが親父の日常なんだと思うと
帰省している間ぐらいはまあいいかと考えられた
やがて休みが終わり出発の準備をしていると
カーチャンが封筒を持ってきて俺に手渡した




35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:46:26.76 ID:zNH5CF560

「これ、バイト代。あんたパソコン欲しいって言ってたでしょ」
封筒を開けてみると15万入っていた
「お父さんが、時給500円で計算して渡しなさいって」
確かに一日10時間は働いていたと思う
「いや、こんなにはもらえない」
二浪した負い目もありそう言って返そうとしたら親父に怒鳴られた
「俺の長男はこれぐらい稼げる働きをしたはずだ」と




39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:50:02.85 ID:nZJj1xOj0

親父の思い出なんかないな
植物人間で寝たきりの姿くらいか




40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:50:38.84 ID:zNH5CF560

それで働く楽しさを覚えたわけではないが大学二年に上がると同時にバイトを始めた
稼ぎとしては月に5~6万ぐらいのものだったが
その分を仕送りから減らしてもらった
カーチャンは少し楽になったと言っていたが
長期休暇で畑仕事を手伝ってもらえない親父は不満そうだった




41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:53:01.19 ID:zNH5CF560

大学時代に珍しく親父の方から電話をかけてきたことがあった
「昨日お前が怪我をする夢を見た。気をつけろ」
そんな感じのことを言われて内心少し笑ってしまった
実際には何もなかったのだが
親父が気にかけてくれているのが分かって悪い気はしなかった




42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:54:58.34 ID:zNH5CF560

大学卒業後就職してからはカーチャンが俺に電話してくるたびに
後ろであれを聞けこれを聞けと指示を出しているのがおかしかった
苦笑いしながら質問に全部答えると
毎回満足したような「わかった」という声が聞こえていた




43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:57:01.02 ID:zNH5CF560

最初の会社に就職してから4年
景気が悪く会社の業績が伸び悩んでいた
給料も下がった
それこそ生活が困難になるほどに
絶対に無理とまでは言わないが
仕事と給料のバランスが俺の中でとれなくなっていった




44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 21:58:53.33 ID:zNH5CF560

そのことを電話でカーチャンに漏らすといきなり親父に代わられた
親父は一言だけ
「いつでも帰ってこい」
そう言ってくれた

それから半年勤めたが
結局身体が持たずに実家に帰ることにした




45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 22:00:39.64 ID:zNH5CF560

実家に帰ると仕事はいくらでもあった
農業には人手が必要だ
俺はバイトをしながら親父の畑を手伝った




46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 22:02:07.55 ID:zNH5CF560

繁忙期にはそれこそ休みなんて無い
バイトが始まる前終わった後休みの日
手伝える時間はずっと手伝った
一年半ぐらいかな




47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 22:03:22.43 ID:JEWjORMD0

よく鮮明に覚えてるな、俺は記憶が薄いから殆ど思い出せないわ




48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 22:03:45.55 ID:zNH5CF560

ある日街の方にいる友人から連絡があった
会社で人手が足りないから手伝ってくれないかと
その誘いに正直悩んだ
バイトのままよりは正社員としてもう一度就職したいという気持ちがあった




49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 22:05:32.20 ID:zNH5CF560

三ヶ月待ってもらい結局その誘いを受けることにした
人手不足で呼ばれただけあって待遇は結構良かった
生活に関して困ることはないどころか
実家に仕送りする余裕もあるぐらいには




50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 22:06:40.35 ID:zNH5CF560

再就職を決めたとき親父はやっぱり不満顔だった
面と向かって行くなとは言わなかったが
残って欲しそうにしていたのはよくわかった




51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 22:10:14.99 ID:zNH5CF560

田舎を出て再度街にきてからもうすぐ一年
今日親父の誕生日で実家に電話したら
「今日はお母さんが作ったケーキでお祝いしてもらっているところだ!どうだ、いいだろう!」
と言われてなんかかわいかったからスレ立てた

特に盛り上がりもオチもなくて悪いな
読んでくれたやつありがとう




52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 22:11:23.59 ID:4xf/ZR0t0

元気なのかーい
まあ良かった




53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 22:12:30.85 ID:41S3mgl90

いい父親だな
オレの父親はサービス精神ゼロの人だから羨ましいわ




54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/12/07(金) 22:14:21.04 ID:Lq3sSe9LO

親父が元気ってうれしいよな
大事にしてやれよ




引用元:親父との思い出を書いてみようと思う

6 件のコメント:

  1. 親父にいつ不幸が訪れるのかとドキドキしながら読んじゃったじゃないか。

    返信削除
  2. これは作り話じゃなさそうだ

    返信削除
  3. 親父生きてんのかよ!

    返信削除
  4. 一億総ツッコミ
    ご存命でよかた
    親父がいて羨ましい

    返信削除
  5. これは出来る親父

    返信削除
  6. 良い親父だ・・・そして生きて元気そうで何よりだぜw

    返信削除